今回は、Webサイトを作る時の「SEO効果を高めるサイト設計」について解説します。
サイト設計とは?
サイト設計と一言で言っても幅広い意味を持ちますが、簡単に説明すると以下のようなことです。
- どんなテーマのサイトにするか
- どんなカテゴリーが必要か
- どんなユーザーに来てほしいか
- ユーザーにどういう行動をとってほしいか
- どういうコンテンツを、どこに配置するか
といった設計をサイト制作を行う前にしっかりと考えておく必要があります。
これが無いと思いつくまま記事を書いてしまい、後付けでカテゴリーやコンテンツが増えてゆき、SEO対策もままならない軸がブレブレのサイトになってしまいます。
というわけで、今回の記事では「SEO的に有利なサイト」を作るために必要な項目だけをピックアップしてサイト設計を解説していきたいと思います。
テーマを考える
まずはテーマを考えることから始めます。
「ダイエット」「美容」「スポーツ」「金融」「不動産」・・・等々
色々なジャンルがある中で、あなたが作るサイトがどのジャンルに属するかを考えてください。
テーマによってはサイトの規模にも影響しますので、ジャンルを選んだ後はサイト規模を想定していきましょう。
大規模サイトか小規模サイトか
例えば「ダイエット」というテーマに決めたとします。
「ダイエット」というテーマでそのままサイト設計をすると、かなり大規模なサイトとなるでしょう。
キーワードツリーという考え方があり、これは「メインキーワード」に紐づく「関連キーワード」を階層に分けてツリー状に考えるというものです。
「ダイエット」をメインキーワードとして考えると・・・
-りんご
-バナナ
-スムージー
1-1-1.ダイエットのレシピ
-痩せるりんご料理
-痩せるバナナ料理
-痩せるスムージー作り
1-2.ダイエットの運動
-ウォーキング
-ジョギング
-筋トレ
1-2-1.ダイエットでライザップ
-入会方法
-退会方法
-料金
1-3.ダイエットのサプリ
-DHC
-ファンケル
-大正製薬
こいった形でツリー状に仕分けすることです。
上記は例として一部だけのツリーを書きましたが、メインキーワードが「ダイエット」だと実際にはもっともっと色々なツリーが生成されます。
ツリーが大きくなればなるほど、サイトの規模が大きくなるということです。
サイト設計において重要なことは、このツリーマップがユーザーニーズであるということです。
そして、ユーザーニーズに応えられるサイトを作ることがSEO的にも重要なことなのです。
ですので当然、規模が大きいサイトほど色々な情報を盛り込んだサイトにしなければいけないので、それだけ制作コストもかかりますし記事も大量に必要になってきます。
ミニサイトSEOという考え方
規模が大きくなってしまうと、とてもじゃないけど個人で作るのは無理が出てきます。
1日に何記事書けるか(外注も含めて)を考え、無理のない規模のサイトを作るようにしましょう。
そこでおすすめなのが「ミニサイト」を作ることです。
先ほど作ったツリーマップを例にすると・・・
-DHC
-ファンケル
-大正製薬
例えば、この部分だけのサイトを作るということです。
「ダイエットのサプリ」だけに特化したサイトです。
これならツリーマップも配下のものが少なくなるため、必要な記事数も少なくなる上に、「ダイエットサプリ」に特化して専門性も高まり、Googleにも好まれやすいサイトになります。
始めの内はこういった小規模のサイトから作ってみることをお薦めします。
ペルソナを考える
ペルソナと聞くと人気ゲームのタイトルを思い出しますが、マーケティング用語の一つで架空ユーザーの人物像を作ることです。
意外とSEO的にもこれが重要です。
「ダエイットサプリ」の小規模サイトを作るとしても
実際にどんなユーザーが作ったサイトに訪れ、どんな行動をとってくれるのか…
ここまで想定してサイト設計をすることで、ユーザビリティーが高くSEO効果も高いサイトを作ることができます。
名前 | 江洲 五百子 |
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年齢 | 45歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 専業主婦 |
1日の行動 | 平日の朝は6時に起床する。 旦那の分と合わせてお弁当を2つ用意し、7時30分には送りだす。 その後、家事を行い午後には自由な時間ができる。 タブレットでネットサーフィンを楽しむのが日課。 1時間ほど見たら買い物へ出かけ、 戻ったら夕飯の支度をする。 支度を終えたらテレビを見ながらお茶をする。 夕方に子供と旦那が帰宅すると、 一家団欒の食事をし、 夜は子供に勉強を促し、 旦那と二人で色々な会話を楽しみ、 お風呂に入ったら後は ゆっくり寝る前の読書と、 タブレットでのネットサーフィンに耽る。 就寝はだいたい23時~24時くらい。 |
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といった感じでペルソナを作ります。
これでも簡単なほうで、会社で作るペルソナはもっと細かく作ります。
タイムテーブル、生い立ち、趣味、好きなこと、嫌いなこと、よく読む雑誌、よく見るサイト…等々、実に細かくペルソナ設定を行います。
ここまでする必要はあるの? と感じるかと思いますが
作ろうとしているサイトを「どんなユーザーに向けて作るのか」という方針・意思を固める上でも大切なことです。
サイト制作会社、コンサル会社などもペルソナ設定は必ずと言っていいほど行っている必須工程です。
ペルソナがあることで「この人が喜ぶ内容の記事を書こう」「この人が気に入るデザインにしよう」「この人が求めるコンテンツを追加しよう」と明確な意思をもって運用していけるので、迷いが生じることも少なくなります。
例えば職業を「主婦」と決めたら、主婦がどういう1日を送っているのか、どういうデバイスを多く使っているか、どんな情報を収集しているか、等のあらゆるデータをしっかりと調査してペルソナに反映していきましょう。
キーワードを調査する
仮に「ダイエット」をメインキーワードに設定した場合、このキーワードに付随する複合キーワードもリストアップしていきます。
先ほど説明したキーワードツリーとは少し違い、SEO上のキーワードとして「ダイエット レシピ」「ダイエット 運動」といったようなSEOキーワードの調査になります。
サジェストを調査する
サジェストとは、メインキーワードを軸にした複合キーワードのリストのことです。
例えば、「ダイエット」というメインキーワードを軸にした場合、抱き合わせでどんな検索クエリがあるのかを調査することで、メインキーワードをSEO対策する場合に必要となるその他のキーワードを知ることができます。
【Goodkeyword】というツールは無料で使えるサジェスト収集サイトなので、こういったサイトを活用すると良いでしょう。

出てきた複合キーワードを、サイト内に全て網羅するよう記事を追加していくことで「メインキーワードを構成する全ての要素が含まれるサイト」とGoogleに認識させることができるため、内部リンクを上手く活用していけば、おのずとメインキーワードの検索上位は上がっていきます。
検索ボリュームを調査する
複合キーワードの取得ができたら、次にやることは月間検索ボリュームの調査です。
これには、Googleの【キーワードプランナー】というツールを使用します。
このように月間どのくらいの人が対象のキーワードを検索しているのかが分かります。
月間300もあれば充分にトラフィックを期待できるので記事として単体でSEOを狙うのも悪くありません。
上記画像は、「ダイエット」で検索ボリュームを調査した結果です。
さすがに人気ジャンルなだけあって、月間平均検索ボリュームは非常に多いです。
その代り、こういった人気ジャンルは競合サイト(ライバル)も数多く存在するということを覚悟しておきましょう。
また、ダイエットというジャンルについてはアフィリエイト商材もたくさんあるので、アフィリエイターさん達がこぞってサイトを作り、SEO対策を行っている「レッドオーシャン(激戦区)」と呼ばれるジャンルです。
生半可な気持ちで参入しても、まずもって勝ち目はないので、それこそキーワードツリーの一部だけに特化した小規模サイトから攻めていくのが良いでしょう。
サイトマップに起こす
サイトマップという言葉は、サイト制作において3つの意味があります。
- SearchConsole用のsitemap.xml
- サイト内のサイトマップページ
- サイト構成を考えるための資料
1つ目は、サイトを公開した後にGoogleのクローラーにサイト内を巡回してもらうために送るものです。
2つ目は、サイト内に設置するサイトマップページのことで、どちらかと言えばユーザビリティーのために設置するページです。
今回説明するのは、3つ目の「サイト構成を考えるための資料」のことで、私の場合はよくExcelを使って作成しています。
こんな感じで、トップページを1階層目として、2階層目にどんなカテゴリーがあり、記事はどこに紐づいているのか、等を階層を切って考えていきます。
SEO的な観点から、SEOのパワー(リンクジュース)が受け渡されますので、階層の設定はとても重要です。
このように、3階層目は2階層目に、2階層目は1階層目に、リンクジュースが流れて蓄積されます。
もちろん記事単体でのSEO評価されて検索上位に入りますが、上記の例ですと「[id]/」が記事で、その上の階層に「recipe/」などのカテゴリーページがありますので、記事の集合体となるカテゴリーページは全ての記事のSEOパワーを受け取ってより強力なSEOパワーを保持しているということです。
ですので、カテゴリーページでは「ダイエット レシピ」のSEOキーワードを狙う上で紐づく記事の品質と、記事の数がものを言うわけです。
SEOとユーザビリティーの共存
さて、ここまでが大きくSEOに影響を及ぼすサイト設計の話でしたが
SEOを意識しすぎると疎かになりがちなのがユーザビリティー(操作性・利便性)です。
記事を書く時もそうですが、SEOを意識しすぎると意味不明な文章になってしまったり、SEOキーワードを使いたい!と思うあまり、気持ち悪い文章になってしまうことがあります。
あくまでWebサイトは利用するユーザーのためにあるので、そこを無視してはいけません。
また、カテゴリー構成についてもユーザーが使いやすいように設計してあげることも大切なことです。
よく読まれてる記事があるカテゴリーは、トップページに分かりやすくリンク動線を設置したり、グローバルナビゲーション(メニュー)の並び順も先頭に配置してあげる等の工夫をしましょう。
更に、昨今ではモバイルファーストインデックス(MFI)といって、スマートフォンで見た時に使いやすいことが重要視されており、これも非常に強いSEO効果を持っています。
コーディングを行う時だけに限らず、記事を執筆する時も、必ずスマートフォンでどのように見えているのかを確認しながら作業を進めるようにしてください。
私の勤務先の会社でも、ひと昔前まではパソコンのデザインを先に起こして、ついでのような感覚でモバイルデザインを後付けしていましたが、今となっては逆転してモバイルデザインを先に作るようにしています。
まとめ
以上がサイト設計を行う際にSEO効果を高める方法でした。
随分と記事が長くなっちゃいましたが、これでも最低限の要素だけにまとめたつもりです。
SEO対策は、時代と共に進化し形を変えていますので、常に最新の情報に耳を傾けて実践していくのが大切です。
あなたもWebサイトを制作する際には、この記事を参考にしてみてくださいね!